白老牛(北海道)
白老牛の特徴
白老牛は北海道内にある白老町において主に生産肥育されているブランド和牛の総称です。
牛の定義としては、品種が黒毛和種であるということ、出生地が白老町もしくは白老牛銘柄推進協議会が認める地域であること、肥育が白老町内の農家で行われていること、出産を経験したことがない雌牛もしくは去勢した雄牛であること、月例36ヶ月以内の肥育期間であること、そして枝肉の格付けがA3ランク以上もしくはB3ランク以上の品質を保持していることであるとされています。
北海道では農作物が盛んに行われていることから、白老牛のエサとしては小麦やおから、もしくはビールなどのアルコール飲料を醸造する際に出る食物繊維質を与えて育てられます。豊富な栄養を含んだエサを摂取した牛は、脂肪の交雑が良くなるのが特徴であり、白老牛の枝肉にも上質なサシが入っています。
また、農家によってはより高品質な霜降り肉を作るために、牛がそれほど大きく肥育しないまま出荷するケースもあります。
白老牛の歴史
白老牛の歴史は昭和29年から始まります。かつて白老町の地域一帯は、肉牛の肥育にあまり適していない地域でした。それは、白老町の土壌や気候風土そのものが農作物を育てるのに不適切であり、肉牛の良質な飼料を得られることができなかったからです。
しかし、同じような土壌と気候風土である島根県で育つ和牛に着目し、その年に島根県から黒毛和種の和牛数十等を入荷しました。北海道全域は酪農が盛んな地域でありましたので、乳牛などその他の牛は多く存在していたものの、黒毛和種はそれまで一頭も北海道には存在していませんでしたので白老牛の歴史の始まりは、北海道における黒毛和牛肥育の歴史とも言い換えることができるでしょう。
その島根県産の黒毛和種の導入を成功させ、結果として今現在では年間1200頭が肥育されて出荷されるまでに至っています。
また、白老町はアイヌ民族の文化が根強く残っているという特色もあり、白老牛の肥育においても牛の身体に良いものを食べさせる等、アイヌ民族の歴史的な知恵が生かされているということも大きなポイントだと言えるでしょう。