仙台牛(宮城県)
仙台牛の特徴
仙台牛は宮城県内において飼育されており、なおかつ一定の条件を満たしている肉牛の総称です。
仙台牛としての条件を満たすことにおいては、品種が黒毛和種であることに加えて仙台牛として肥育できるように体系づけられた飼育方法に従って適切に育てられたもの、そして枝肉の格付けがA5ランクもしくはB5ランク以上の品質を保持するものであると定められています。
仙台牛の最大の特徴はこの格付けの敷居の高さであり、通常のブランド牛が4等級以上であるのに対し、仙台牛は5等級以上でなおかつ歩留の度合いもB以上でなければなりません。なお、5等級以上という基準を満たしていないものについては、仙台黒毛和牛のブランド名がつけられて区別されています。
仙台牛はその高い格付けに加えて稲作が盛んな地域という特性からも栄養価の高い稲を餌として食べていることから、肉に含まれる脂肪分はかなり多くなり赤身の間に十分な霜降りが見られ、一頭の牛から取れる枝肉もとても大きなものとなっているのです。
これだけの基準の厳しさを持つのは日本国内全てのブランド牛において仙台牛のみであり、それゆえ味も品質も確実に保証された超高級牛肉として扱われています。
仙台牛の歴史
宮城県においての食肉生産が開始されたのは大正のことであり、その時期に宮城県種育場が創設されたことに歴史は始まります。その宮城県種育場において、昭和6年にその品種改良のために兵庫県から種牛を仕入れたこと、そしてその40年後に品質の良い血統を持つ茂重波号という肉牛を仕入れたことが今現在の仙台牛の品質を形成する大きな切っ掛けとなりました。
仙台牛のブランド名が商標登録されたのは平成19年のことであり、それによってブランドの価値をさらに高めました。また、枝肉の高い品質を持つ仙台牛は種牛としての評価も高く、平成19年には茂洋という名の種牛を基幹雄種牛として宮城県が認定しています。
近年では香港や中国などへも積極的な出荷がなされており、海外においても評価の高い日本のブランド和牛の1つとなっています。