京の肉(京都府)
京の肉の特徴
京の肉とは、京都府内において生産、肥育されているブランド和牛の総称です。
京の肉の定義としては、黒毛和種であるということ、そして京都府内に所在している牛肉の生産者によって生産肥育されていることであるとされています。それ以上の定義はありませんが、一般的に京の肉は京都府内で出生し、肥育まで行われた純粋な京都府産のものが主流です。
それ以外の牛が含まれていないわけではなく、京都府内で生産されたという履歴があるものならば京の肉として認定されています。ただ、これらの条件を満たした和牛すべてが京の肉として出荷されるわけではなく、独自の厳しい基準によって品質が良いと判断されたもののみが京の肉のブランド名を使用できるようになっています。
京都は歴史的な建造物だけではなく自然も豊富であることから、上質な和牛の生産を行うことが可能です。その味としては、繊維が細かいことから舌触りが良く、脂肪の付き具合も良いため十分な旨味があるのも特徴的です。また、加工流通過程におても衛生管理が整っていることから、衛生面でも安心できる肉です。
京の肉の歴史
いにしえの都である京都はそれほど農業や畜産と関連がないようなイメージがあるものの、食文化が発達していることからも分かるように肉牛の肥育においても先駆的な地域でした。それも和牛の記述が日本史上初めてされたと言われる国牛十図という巻物に、丹波(つまり今現在の京都の一部)の丹波牛という名称が記載されていることからも、その歴史の長さが伺えます。
また、国牛十図には丹波牛の記述としては「近年逸物が多い」とされており、昔から品質が良い肉牛であったことも記されているのです。このような歴史的にも長い肥育が行われている京の肉の和牛でありますが、やはり現代の品質に至る過程においてはその他のブランド和牛と同じように長期的な期間をかけた品種改良は行われています。
そのような長い年月をかけた京都の牛肉生産者の、肉牛の改良と生産技術の資質向上によって、京の肉は今現在全国的にもその肉質と風味が良質であるとの高い評価を受けるまでになっています。