上州牛(群馬県)
上州牛の特徴
上州牛は群馬県内において飼育されている肉牛であり、一定の条件を満たしたものだけが使用できるブランド名です。
上州牛という名称は全国農業協同組合連合会の群馬県本部によって商標登録されたものであり、それを使用するには群馬県内において生産された肉牛でなおかつ群馬県食肉卸売市場において取引が行われている牛肉であることが条件とされています。
また、上州牛には二つのブランドがあり、一般的なブランド和牛として多く用いられる黒毛和種の枝肉を上州和牛、乳牛との交雑をした雑種の枝肉を上州牛という名称で使い分けて区別しています。上州牛に比べて上州和牛の方が品質的には上位にあるとされていますが、交雑種である上州牛は乳牛の特性である身体が強いとうい性質を兼ね備えていることから病気になりにくいのが特徴でありますので、健康的な枝肉をつけることが可能となっています。
また、そのような病気に強い性質とともに、HACCP方式という厳重な衛生管理の方式を用いた環境で育てられることから、衛生面においても安全性の高い肉質を誇っています。それゆえに、衛生の基準が厳しいアメリカへの輸出が行われているのも大きな特徴です。
上州牛の歴史
以前より群馬県では酪農や畜産が盛んに行われていました。一般的なブランド牛のほとんどが黒毛和種であるのに対して、上州牛のように乳牛と和牛の交雑種がブランド価値を持つことからも、それだけ乳牛・肉牛ともに生産が盛んであったことが分かります。
この上州牛は、関東圏ということもあり日本で肉食が一般的になってきた頃から東京においても取引がされており、その頃から群馬県の異名である上州の名前を取って上州牛と呼ばれていました。その上州牛が地域のブランドとなる過程として、昭和51年にJA群馬経済連を中心として肉牛の飼育を行う農家が集まり、協議会を発足したのが大きな切っ掛けでした。その協議会において、肉の品質が良いものだけを上州牛の名称が使用できる肉であると定義づけたのです。
その後、平成19年には特許庁にて上州牛の名称は地域団体商標としての登録が行われ、商標権の取得が認められました。