肉の下ごしらえについて
毎日の家計のやりくりに悩む主婦の方は多いと思います。スーパーのチラシとにらめっこしながら今日の献立を決めたり、複数のスーパーの特売品をはしごして購入したり…。どんな家庭でも多かれ少なかれ、節約のために何らかの工夫をしているのではないでしょうか。食事を作るのは毎日のことなので、できれば少ない支出でより安全でおいしいものを購入したいものです。
特売品を購入できたときは嬉しいものですが、ことお肉、特に牛肉が安く手に入れられたときの喜びはささやかな生活に訪れる幸せと呼べるものでしょう。もしくは何かおめでたいことがあってからの奮発で購入する牛肉かもしれませんね。
そこでせっかくの牛肉、どうせ食べるならおいしく下ごしらえして食べたいと思いませんか。ここでは牛肉をおいしく食べるための下ごしらえの方法について触れたいと思います。
新鮮なお肉がやっぱり一番
ですがその前に、知っておかなくてはならないことがあります。それは、スーパーなどに陳列された牛肉の中でも、よりおいしいものを「選ぶ」必要があるということです。
よく牛肉は腐りかけが一番おいしいなんて話を聞きます。それならば鮮度が古い賞味期限切れのものを買えばいいのでしょうか。その答えは「×」です。アメリカのレストランなどで出されるおいしいステーキは、きちんと段取りをとってドライ・エイジング、つまり「熟成」させたものであって「腐敗」させたものではありません。家庭の冷蔵庫でそれをしようとすると、「熟成」ならぬ「腐敗」になる可能性が高いのでやめましょう。
鮮度の高い牛肉は、赤身のキメが細かく、色は明るく鮮やかです。そしてパックの端っこに赤い液体が溜まっていることがあります。これをドリップ(肉汁)と言いますが、これが多く出ているものはなるべく避けたほうがよいです。
下ごしらえの基本
さて、おいしい牛肉を購入できたなら、さっそく下ごしらえです。まずは牛肉についた余分な水分をペーパータオルなどで拭き取りましょう。こうすることで、臭みがある程度取れて下味が付きやすくなります。
そして脂身と赤身の間のすじ部分に3~4か所切れこみを入れましょう。これをすじ切りと言いますが、こうすることで焼いても縮んだり丸まったりしなくなります。
そして、肉たたきでお肉をたたきましょう。こうすることで、肉が柔らかくなると同時に、肉の厚さが均一になり、火の通り方が全体的に均一になります。
おいしさアップの魔法テクニック
それから、安価で手に入れられる牛肉でも、まるで高級牛肉かのようなおいしさになる下ごしらえの方法がいくつかあります。例えばおろした玉ねぎと牛肉をジップロックに入れて一晩寝かせる方法。例えば牛乳に一晩付け込む方法。こういった方法にはそれぞれの食材に含まれている酵素が牛肉のタンパク質を分解し、やわらかくさせる効果があります。
数ある方法の中でも特におすすめなのが、みじん切りにした生のきのこ類(お好みのきのこでOK)と少量の水を牛肉と合わせてジップロックに入れて一晩寝かせる方法です。この方法もきのこに含まれる分解酵素が牛肉を柔らかくしてくれます。さらにきのこのうまみ成分で牛肉のうまみもUPします。
そして塩コショウはフライパンで焼く前にします。早めに塩コショウしてしまうと、ドリップが出てしまう恐れがあるからです。そして重要なことですが、お肉は必ず調理する一時間前までには冷蔵庫から取り出しておきましょう。常温に戻してから加熱しないと、火の通りが均一にならないため、内部が生焼けになったり、肉が固くなったりしてしまいます。
せっかくの牛肉を台無しにしてしまわないためにも、ひと手間かけることでおいしく食べられる魔法を是非試してみてください。