黒毛和牛のたんぱく質
たんぱく質は基本的に動物の肉、もしくは大豆のような食べ物に多く含まれています。それゆえに、黒毛和牛も牛肉の一種でありますから豊富なたんぱく源として考えられます。
ただ、黒毛和牛は飼育方法によってはブランド牛のように脂肪を多く含むタイプの牛が出てくるため、そのたんぱく質の含有量については個体差があります。また、当然のことながら同じ牛であったとしても、その肉の部位によってもたんぱく質の含有量が変わってもくるものです。
たんぱく質が少ない黒毛和牛
標準的な和牛のたんぱく質含有量としては、肉の全体の量を100グラムとして考えた時に、肩ロースで約14グラム、サーロインで約12グラム、モモで約22グラム、フィレで約20グラムという具合になります。このたんぱく質含有量と豚のそれを比較した場合、全体的に1グラムから2グラムほど黒毛和牛の方が少ないです。そのことから、黒毛和牛という品種そのものがたんぱく質の含有量が若干少なめであることが考えられます。
その理由として考えられるのは黒毛和牛自体が他の肉と比較すると脂肪の含有量が多い特徴があるからです。これは同じ牛肉同士で比較しても差が出てくるものであり、輸入物の肉牛と国内で育てられた肉牛では同じ部位であっても大きなたんぱく質の含有量の違いがあります。
その差が著しい部位としては、肩ロースやサーロインなど、一般的に霜降りと言われている部分が挙げられるでしょう。肩ロースであれば輸入物の牛肉の場合たんぱく質の含有量は約18グラムであり、その差は4グラムも輸入牛の方が多いですし、サーロインも輸入牛は約18グラムのたんぱく質を含有していますから、肩ロースよりも差が大きい6グラムものたんぱく質の違いがあります。
これらのことから、それだけ黒毛和牛にはたんぱく質が少なく、その代わりに上質な脂身が多く含まれていることが分かるのです。
黒毛和牛のたんぱく質は、量より質!
部位や生産地によってたんぱく質含有量を比較しましたが、これがブランド和牛となればまたたんぱく質の含有量は変わってきます。日本国内における上質な枝肉の規準となるのがその脂肪の含有量ですから、必然的に高品質の格付けがされた黒毛和牛であるブランド和牛はその他の黒毛和牛と比較してもさらにたんぱく質の含有量は少なくなってくるのです。
ただ黒毛和牛は筋繊維が細いという特徴もあるため、そこから得られるたんぱく質の量は少なくとも、たんぱく質の品質自体は良いと考えられます。