黒毛和牛のオレイン酸とステアリン酸
黒毛和牛の肉質を語る上で欠かすことのできない存在が、オレイン酸とステアリン酸です。黒毛和牛は数ある牛肉の種類の中でも、脂肪を多く含む種類として知られています。その脂肪の含有量が多いことが、その美味しさを決定づける要素の1つであります。
しかし、黒毛和牛の肉質が美味であるのはただ脂肪が多く含まれているというわけではなく、その脂肪の大部分がオレイン酸とステアリン酸によって構成されていることにあるのです。
黒毛和牛の柔らかさの秘密
オレイン酸とステアリン酸は不飽和脂肪酸と呼ばれる種類の脂肪であり、通常の脂肪と比べて幾つかの相違点があります。
まず黒毛和牛の肉質を作りあげている点にも大きく関わっている特徴は、このオレイン酸やステアリン酸の融点が低いということが挙げられるでしょう。一般的な動物性の脂肪というのはラードなどを見れば分かるように、少々温度が高かったとしても溶けずに個体を保ったままでいます。
しかし、不飽和脂肪酸、特にオレイン酸やステアリン酸はかなり低い温度であったとしても融解していくという特性から、それらが多く含まれている黒毛和牛の肉は口の中に入れた瞬間に口内の体温によって脂肪が溶け始めるため、柔らかな食感となるのです。
雌牛に多いオレイン酸とステアリン酸
オレイン酸とステアリン酸が多く含まれているのは、黒毛和牛の中でも雌牛であるとされており、その脂肪におけるオレイン酸とステアリン酸の含有率は80~90%もの比率であるとまで言われています。
それゆえに、一部のブランド牛においてはそのブランドの基準として雌牛でなければならないという条件をつけているものもあります。
動脈硬化を防ぐ黒毛和牛の脂身
オレイン酸は動物性脂肪の中に一定数含まれているものであるほか、オリーブオイルの主要な成分であることも知られています。そしてもう一方のステアリン酸はイワシなどに代表される青魚に多く含まれています。これらのことから分かるのは、オレイン酸やステアリン酸が健康において、血液をサラサラにする効果を持っているということです。
通説としては牛肉に含まれている脂肪はコレステロール値を高めて、動脈硬化を促進させるデメリットがあると言われていますが、オレイン酸とステアリン酸が多く含まれている黒毛和牛においては、その脂身を食べたとしてもそれほど動脈硬化のリスクを心配することなく、逆にそのリスクを低下させる働きをしてくれます。
このような背景から、黒毛和牛の脂身は健康に良いとまで言われているのです。
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