牛肉の栄養
牛肉と3つの栄養
昨今の健康ブームによって、菜食主義の人が増えているそうです。野菜をたくさん食べることは素晴らしいことですが、正しい栄養についての知識が不足した状態で、安易に肉、魚を摂らないということは、特に成長期の幼児や学童時期の子供に与える悪影響は小さくはありません。
一般的に、肉はタンパク質が豊富と言われていますが、それだけではないようです。ここでは肉の栄養、特に肉の王様である牛肉の栄養について取り上げてみたいと思います。牛肉に主に含まれる栄養は、タンパク質、鉄分、脂質などです。
丈夫なからだを作る必須アミノ酸
学童期の子供にとって、タンパク質は必要不可欠な栄養分です。この時期、多いときでは成人の二倍の量のタンパク質を必要とします。
牛肉には必須アミノ酸がバランスよく含まれています。必須アミノ酸は体内では生成できませんが、植物性タンパク質よりも吸収されやすい性質をもつ牛肉を食べることでより簡単に摂取することができます。また熱に強い性質を持つため、調理方法を選ばないという利点があります。
タンパク質が不足すると、健康なからだを作る上で重大な悪影響があります。例えば、体力がなくなったり、免疫が落ちて病気にかかりやすかったり、治りにくかったりなどといった影響が考えられます。
ヘム鉄と脂質
また、牛肉には鉄分、とくにヘム鉄という成分が多く含まれています。ヘム鉄が不足すると貧血や冷え性になりやすいため、特に女性には必要不可欠な成分ですが、野菜や大豆などに含まれる非ヘム鉄に比べると、牛肉に含まれるヘム鉄は約7倍も吸収されやすい性質を持ちます。
非ヘム鉄はヘム鉄を含む食品と一緒に摂ると、さらに吸収されやすくなると言われています。バランスの取れた食事はこういったことからも理にかなっていると言えるでしょう。
脂質はダイエットの天敵、高血圧の原因とも言われていますが、適度な脂質は効率よくエネルギーを摂取するのに優れています。
他にもたくさん!牛肉の効能
他にも精神的な健康を保つための「セロトニン」や、余分な脂肪を分解してくれるダイエットの強い味方でもある「カルチニン」、傷の回復や正常な味覚を保つための「亜鉛」、顔色をよくし、髪の毛の艶を保つなど、造血作用のある「ビタミンB12」、老化や動脈硬化を防ぐ「ビタミンE」、そして女性にとって欠かすことのできない美容ビタミンと呼ばれる「ビタミンB2」など、人間の体内では作ることのできない栄養素が牛肉には多く含まれているのです。
また、肉の部位によっても含まれる栄養素は変わってきます。特にヒレ肉は脂質が少なく、タンパク質が多く摂れて、なおかつ鉄分、ビタミンB1、B2、B12を一番多く含んだ栄養素の高い部位です。また、もも肉も脂質が少なく、ビタミンが豊富なため女性にとっては特に摂取したい部位でもあります。
そして栄養という枠には含まれませんが、人間が感じる「幸せ」を手っ取り早く手に入れる方法の一つに、おいしいものを食べるということがあります。美味しい牛肉を食べることによって得られる精神的な充実は筆舌に尽くしがたいものがあります。
もちろん言わずもがなではありますが、栄養が豊富だからと言って摂りすぎることは禁物です。野菜や豆類もバランスよく摂ることで、より牛肉の栄養素が吸収されやすくなるのです。