赤身ブームの火付け役、「あか毛和牛」の魅力に迫る
最近ちまたで密かなブームになっている、「あか毛和牛」なるものをご存じでしょうか。あか毛和牛って何?そう思う読者の方が多いと思います。日本に9000万人はいると思われる肉好きの方には、このあか毛和牛についてもっと知ってもらいたい、そう思い筆を執ります。
とってもヘルシー!あか毛和牛
一言でいうとあか毛和牛は「ヘルシーな肉をもつ牛」ということです。この特徴な和牛の95%を占める黒毛和牛と対照的なものです。この違いは脂肪分の違いから来ています。あか毛牛は適度な脂肪分を持ちます。黒毛和牛の特徴は霜降りの脂肪の乗った旨みのある肉質。対してあか毛和牛は派手な霜降りはまったく見られません。
その秘密は飼料と育て方にあります。飼料は牧草です。さらに自然飼育しているため過剰な脂肪は蓄えられません。対して黒毛和牛は人工的な加工物を与えられ運動のできない狭い環境で肥育されます。この飼料、飼育方法の違いは非常に対照的です。
あか毛和牛のルーツは日本原産の小型和牛と外来種との交配にあります。和牛とスイスのシンメンタールという種の牛を掛け合わせて作られた、あか毛和牛はその褐色な皮膚、温厚そうな表情という外観を持ち、飼育されている自然豊かな環境がそれらを映えさせます。このイメージは他の和牛とは大きく異なるポイントでしょう。
自然ですくすくと育ったあか毛和牛は繊細な旨み、さっぱりした食感を持ちます。ヘルシーなその特徴から健康に無駄なものをとらないという今という時代にマッチしていると思います。和牛という世界的に誇れる肉質、旨みという特徴を持ち、それにさらにヘルシーを追加した、というのがあか毛和牛の最大の魅力だといえると思います。
密かなブームのあか毛和牛、乞うご期待。
ただヘルシーだというわけでもなく、肉の旨み、柔らかさも高評価を受けているようです。産地は熊本、高知、北海道のみで、私は実際に熊本で食べた経験がありますが、あっさりとしつつも味のしっかりした印象に残る味でした。
肉の見た目の印象も脂肪分の少ない赤身ですのでステーキにしたときの目覚めるような赤くカット面はなかなか絶景です。食べたときの肉汁のジュ-シーさ、噛みごたえとそのときの肉質の特徴も特筆すべきものです。是非一度食べる機会があれば試してもらいたいと思います。
全日本あか毛和牛協会なるあか毛和牛を推進する会が2011年に設立されました。全日本あか毛和牛協会のHPではあか毛和牛を食べることができるレストランやあか毛和牛の様々な情報が提供されています。
このあか毛和牛、冒頭で述べたように密かなブームを巻き起こす気配があります。まだまだスーパーなどで見かける機会も少ない現状ですが、生産地を広げる戦略を実行中のようです。2013年末にはロシアであか毛牛の飼育を開始するなどこれからも世界的レベルで注目を浴びる展開がありそうです。
まだまだ関東、関西で食べることができる場所は少ないようですが、あか毛和牛という魅力的な食材に是非注目していてください。